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十月兔

強制女装を中心とした小説・イラストのブログです。

2017-08

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乙女座の園 第1エリア(5)


(5)

「ふぅ」
 開始から二時間。キャンペーンはなかなか順調に終わり、気付いたらもうチラシがない。相変わらず同性からの好色な視線を浴びながら戻ると、彼と一緒になって働いていたさやかは満足そうに肯いた。
「なかなかの働きだし、いけそうね。りささん、合格よ」
「どうも、ありがとうございます」
 いや本音を言えば全然有り難くないけどね、と口の中で呟く良介。
 そんな彼を連れて、またしても東京の親会社に戻る。さやかは関係部署に彼を採用することを伝えに行き、良介は別室に待たされた。
 せめて着替えさせて欲しかったが、それはまだ待てとのことだ。しかも人をそのまま待たせておきながら、彼女はさっさと着替えたうえで、別室に戻ってきた。グレイのパーカーにジーンズをはいたさやかは、彼に対してこう言った。
「これでりささんは本採用。五月一日から、《Sweet Spirits》で働いてもらうわ。最初だから、ウェイトレス見習いとして」
「はい」
 つまりしばらくは、このピンクの制服で働けと言うことだ。どのみちデザインは同じなので恥ずかしいのは違いないが、それでもできるだけピンクは避けたい。
 そう思っていると、さやかは急ににやにや笑いながら、彼の目元をのぞき込んだ。
「それにしても、りさちゃん。なんでりさちゃんは男の癖に、こんな可愛い服を着たいの?」
「社長命令なだけで、別に着たくないです。あと、りさちゃんはやめてください」
 良介は反論したが、さやかは聞いていない。
「ふふ、聞いたことがあるわ。女の子の服を着て喜ぶ男の人が時々いるって。あなたも、そういう人なんでしょ?」
「違いますから!」
 慌てて弁明する良介。さやかはそんな彼の様子に構わず、
「いいのよ隠さなくって。そうでなかったら、この東京本社まであんな恥ずかしいOL制服を着て来られるわけ無いものね?」
「あれは社長に着せられて……っていうか、なんであの服で来たってことを知ってるんですか?」
「うん。いまさっき、あなたが着てきた服を見せてもらったから。あれ全部、黒谷社長が持って帰ったわよ」
 え……。良介は硬直した。それはつまり、この恥ずかしい妖精風の制服のままで、代々木まで帰ってこいというのだろうか。固まる良介に、さやかが助け船を出す。
「さすがにそのままじゃ恥ずかしいでしょうから、あたしが服を貸してあげる。それを着て帰るといいわ」
「ありがとうございます。いや、本当に助かります」
「そう。嬉しい?」
「はい」
 良介はほっとして、彼女を見た。もしかしたらいい人かも、と思った次の瞬間、さやかは彼の腕の中に自らの高校の女子制服を押しつけて、にやりと笑った。
「そう……女子高生の制服を着られて嬉しいなんて、りさちゃんってやっぱりそういう趣味なのね。はい、どうぞ。明日の研修の時に返してくれればいいから」
 目の前に、いわゆる女子高生が着るような定番の制服を差し出されて、良介は前言を撤回した。この人も、社長や古本さんと同類だ。
 しかし、いま着ている服よりはマシなのは間違いない。彼は泣く泣くウェイトレスの服を脱いで、シャツと赤系タータンチェックのスカート、アイボリーのカーディガンにピンクのリボンという、いかにもありがちな女子高生スタイルに着替える。ウェイトレスの制服は、同時に渡された赤いスクールバッグの中に入れ、彼はさやかにからかわれながら、代々木に帰っていった。
 「B&B」の本社にたどり着いた良介が、その時社内にいた社長以下数名に大笑いされたことは、あえて記すまでもない。

 こうして五月一日、ついに女性限定大型テーマパーク《乙女座の園》はオープンした。
 十日間、彼は《Sweet Spirits》のウェイトレス見習いとして働き、裏でさやかにからかわれながらも、大過なく務めきったのである。
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