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十月兔

強制女装を中心とした小説・イラストのブログです。

2017-11

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体験入学 第一章(1)

 神無月です。
 水川様、コメントありがとうございますっ。小説のほうもまだまだ未熟で、水川様のように上手くまとめきれるか判りませんが、できるところまでやってみようと思います。

 それでは再び開幕。女装までの導入がやや長いのが難ですが……。

 *

 第一章 起因の一葉(はじまりのひとひら)

 (1)

「見てみて、これ」
 机に突っ伏して寝ていたところを呼びかけられて、柚川武生は顔を上げた。寝惚け眼で見上げると、目の前には、少し幼い顔をした同級生の少女、酒匂翠が笑っている。
 放課後の、三年五組の教室。大半の生徒は、予備校か、遊びにか、いずれにしても教室をあとにしている。武生は例外的に、遊びに誘った友人と別れ、この教室で一人眠っていたのだ。今日提出の課題をぎりぎりになって思い出し、貫徹で仕上げたのだ。できばえはさておいても、とりあえず提出しないとまずい課題だった。
 予備校に行くまでに、しばらく時間はある。さすがに予備校の自習室では眠れないので、携帯のアラームをつけて、ぎりぎりまでこの教室の中で眠っていたのだが。
 そんな彼を、翠は割と遠慮なく起こして話しかけた。見渡せば、周りには武生と翠以外は誰もいない。どうやら翠は、誰でも良いから話しかけたいモードに入っているらしい。誰もいないので、寝ている自分を強引に起こしたのだ。明るく、楽しい性格の彼女だが、自分が話したいことがあるときは割と遠慮をしない。
 翠はにっこにこの笑顔で、A4の小冊子を武生の前に差し出す。
「どうよ、今度あたしの妹が通うことになった小学校のパンフレットなんだけど」
「……ぐぅ」
「寝るなぁ!」
 翠に揺さぶられ、武生は諦めて起きることにした。わざとらしく欠伸をする。
「ふぁーあ。やれやれ。んでー、何だってここで気持ちよく惰眠を貪ってた俺を起こしたんだい?」
「自分で惰眠とか言わないの。……ねぇ、見てよこれ。あたしの妹が進学予定なのよ」
 そう云って、翠が彼に見せたのは、私立深山小学校のパンフレット。このあたりでは有名な、名門小学校だった。制服のかわいらしさも人気だが、授業内容も通常の義務教育課程とは一線を画している。なかでも英語をはじめとする外語教育に重点を置いており、小学生にして日常会話で英語を使えるようになると、セレブなお母様方には大人気だ。
 近くにあるというだけでその名声が聞こえてくるほどの小学校。翠の妹がそこに通うということは、
「妹さん、頭いいんだ?」
「もちろん。英語はかなりぺらぺらだし、このまえためしにTO*IC受けさせたら、あたしと大差ないのよ。嫌になっちゃう。まぁ、なんとか勝ったけどね」
 ふぅん、と武生は適当に返事をしながら、パンフレットをめくる。翠はよく家族と海外旅行に出ており、本人も日常会話程度ならすらすらこなす。とうぜん、英語の成績も頭抜けていい。満点をとれないのは純粋に読解力の問題だと、英語教師から評されたほどだ。その彼女に迫る点数なら、自分は確実にその妹さんに負けてるな。武生は少しやさぐれた。
 武生はいわゆる落ちこぼれではないが、成績に非常な偏りがある。国語、社会、生物は4や5が並ぶが、化学と数学は平凡。そして英語に関しては、常に赤点すれすれを低空飛行している。もはやbe動詞から分からないレベルなので手に負えない。受験の時は、英語のいらない大学を選ぶつもりだった。
 外国に出るほどの覇気がなければ、べつに日本語だけで十分通じるのだ。わざわざよそ様の国の言葉を学ぶ必要もない。覇気のない人間が実用主義者を気取ると、不要なことには全く手を出さないものぐさが出来上がる。武生はその好例だった。
 見るとはなしに、ぱらぱらとパンフレットをめくっていた武生だったが、
「ん、なんだこれ」
 不意に指を止めた。パンフレットに挟まっている一枚のプリント。そこには、「体験入学申込用紙」とあった。書式に従って児童氏名などを書きこみ、参加したい授業を選ぶようになっている。
 武生は、自らの運命を変えることになるその紙を手に取った。
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