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十月兔

強制女装を中心とした小説・イラストのブログです。

2017-05

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短編「ワン・ウィーク・ガール(二日目)」 (3)

 (前回はこちら
 
  「ワン・ウィーク・ガール(二日目)」 (3)

 俊示は午前中からバイトに出てしまい、ぼくも蒸し暑い部屋を抜け出して、近所のファストフード店で勉強することにする。
本当はこんな格好で外に出たくはないんだけど、無駄に窓の広い室内は、真夏ともなればサウナそこのけの暑さになるのだ。本当は図書館とかがあれば一番いいんだけど、あいにくそんな気の利いたものはない。
 さいわい、住宅街の真ん中にあるファストフード店など、混んでいると言ってもたかが知れている。それに、これからあと六日間、女の子の格好をしていなければならないのだ。昨日一日でかなり鍛えられたと言っても、女児服で人前に出るのに慣れておかないと。  

「いらっしゃいませ。……あら、可愛らしいお嬢ちゃんね」

 店に入ると、顔なじみの店員が、いつものゼロ円スマイルで出迎えてくれた。
 ぼくのことは知っているはずなんだけど、どうやら、「お嬢ちゃん」がぼくだということには気づいていないらしい。まぁ、そりゃあ、男子高校生が女児用ワンピースを着て、赤いランドセルをしょって来店するだなんて思わないだろうけどさ、すこしは気付いてくれても……まぁ、恥ずかしいからいいか。
 そんな葛藤をしつつも、カウンターの前に行ってメニューを見る。ええと、どうしようかな。いつものシェイクか、あるいはコーヒーにするか……

「お嬢ちゃん、注文、なんにする? 迷ってるなら、こっちのスマイルセットなんて、どうかな?」
「す、スマイルセット?」
「うん。ほら、ビスケットと、パンケーキがセットになって、しかも可愛いおもちゃがつくんだよ。いまなら割引で安くなってるし、ね、どう?」

 スマイルセット――つまり、お子様セットだ。こんな恥ずかしいもの、高校生にもなって頼めるか――と思ったけど、よくよく見れば値段も安いし、ビスケットとパンケーキの写真もおいしそうだ。うぅっ、でも、高校生なのに……
 でもいまのぼくは、完全に小学生の女の子だと思われている。だとすると、「アイスコーヒー一つ」なんて注文したら、かえって不自然なんじゃないだろうか。よし、ばれないためにも、ここはひとつ……

「じゃ、じゃあ、スマイルセット一つ、お願いします」
「かしこまりましたー。ふふっ、おもちゃはどれにする? 一番人気の『プリティアなりきりカチューシャ』がそろそろなくなりそうだけど、それでいいかな?」
「う、うん」

 おもちゃなんてしょうじき何でもいい。うーん、パンケーキ楽しみだな。

「かしこまりました。お会計は、350円になります」
「はい」

 ポケットから、財布を取り出して支払う。さすがに財布までは女児用をそろえていないので、これは今まで使っていたものと同じだ。女の子が持っているには不自然だけど、これを見ただけでぼくだと気づかれることもないだろう。

「ありがとうございます。それではメニューが出来上がりましたらお呼びいたしますので、近くのお席でお待ちください」
「は、はい」

 なるべく奥の、目立たない席を選んで座り、周りを見回す。何人か他のお客はいるけれど、ぼくのことをじろじろ見る人はいない。完全に女子小学生と思われているようだと安心しつつも、やっぱりそれはそれで恥ずかしい。
 やがて店員さんが、トレイを持ってこちらにやってきて、

「お待たせしました、はいこちら、スマイルセットになります」
「わぁ……」

 思わず声が出てしまった。ビスケットに、パンケーキ。なかなかおいしそうだ。しかし、トレイの上にはもう一つ、恥ずかしいものが乗っていた。店員さんはそれを手にすると、

「はい、これ。『プリティアなりきりカチューシャ』。可愛いでしょ?」
「う、うん……」

 赤いリボンのついたカチューシャに、ぼくは一瞬たじろいだ。人気女児アニメ「プリティア」の主人公がつけている、可愛いカチューシャだ。リアル女児なら大喜びするかもしれないけど、男子高校生のぼくにとっては、ただただ恥ずかしいだけで――

「ふふっ、このカチューシャ、一番人気でそろそろなくなりそうだったのよ。それじゃあ、お姉ちゃんがつけてあげるわね」
「い、いいよ、それは……!」
「遠慮しないで、はい、どうぞ」

 抗弁に耳を貸さず、店員さんはぼくの頭に、すっぽりとカチューシャをつけてしまった。頭を締め付ける感覚が、何とも言えず恥ずかしい。

「うっ、ううっ……」
「ふふっ、お嬢ちゃん、とっても似合ってるわよ。本物の『プリティア』みたい」
「あ、ありがとう……」

 もう恥ずかしくて、何も言えない。うう、次にこの店に来た時、この店員さんにどんな顔をすればいいんだろう……。
 そして店員さんはにっこり笑って、

「それじゃあ、ごゆっくりどうぞ。村瀬くん」
「ちょっ――知って……!」

 知っててこんなことをしたのか――立ち去る店員さんの背中を見ながら、顔からどっと、血の気が引く。うぅっ、あの店員さんも、意地が悪い。ぼくは半分泣きそうになりながら、それでもちゃんとカチューシャをつけて、ビスケットとパンケーキを完食した。
 ……恥ずかしかったけど、すごく美味しかった。

  (続く)
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コメント

腰が砕けそうになるかも

この後どうなっていくのかが楽しみです。

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