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十月兔

強制女装を中心とした小説・イラストのブログです。

2017-10

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短編「親友彼女」 その10

  (その10)

「いやぁ、いい天気だな。まだまだ春って感じで、日差しもあったかいし。その冬服だと、ちょっと暑いんじゃないか?」
 隣を歩く俊示が、のんびりと話しかけてくる。返事するつもりはなかった。ぼくにこんな恥ずかしい思いをさせている奴と、口なんかきいてやるもんか。
 あれから母親の誤解を解けないまま、ぼくは俊示に引っ張られるようにして、外に連れ出されていた。
もちろん着替えたりなんかしていない。丸襟ブラウスにイートンジャケット、サスペンダー付きのプリーツスカート、黄色い通学帽、「せがわ しょうこ」と書かれた名札、赤いランドセル、女児用のローファーという、どこからどう見ても女子小学生にしか見えない格好で、だ。
 時折通りがかる人が、ちらちらと僕を見ているのが判った。このあたりの小学校だと制服は採用していないから、奇特に思ったのかもしれない。そうであってほしい。本当は男子高校生だなんて──まして近所の人から、瀬川翔太だとばれたりしたら、明日から恥ずかしくて外を歩けなくなってしまう。
 冬服とあって、ジャケットもスカートもずっしりと重たい。そのくせスカートは、ちょっと足を動かすとひらひらと揺れて、何とも頼りなかった。さらに両肩には、年甲斐もない赤いランドセルがずっしりと食い込んで、ますます情けない気持ちになる。
 俊示のやつ、よくもこんな格好で、外に連れ出して──
 恨みがましくにらみつけてやるが、俊示はどこ吹く風で、手をつないだままどんどん先に行ってしまう。身長差があることもあって、ぼくはついていくのがやっとだった。
 そうして連れてこられたのは、ぼくの通っていた小学校の前だった。道路に面した場所に、立派な桜の樹が立っているのを見て、
「ほら、見てみろよ。一週間前は満開だった桜が、すっかり散ってるぜ」
「…………」
「おいおい、なんとか答えたらどうなんだ? さっきからずっとむくれて」
「…………」
 意地でも口をきいてやるものか──と思っていると、
「全く翔子ったら、照れ屋さんだなぁ。うちにいる時みたいに、お兄ちゃんに甘えてくれたっていいんだぞ?」
「だっ、誰がお兄ちゃんだっ!」
 こんな服を着せて、妹のふりをさせる気か。シスコンにしたって、男のぼくに小学生みたいな女装をさせて妹扱いするなんて、どういう趣味してるんだ。思わず言いつのりそうになると、
「おいおい、あんまり大きな声、出さないほうがいいぜ」
 俊示はにやにやと笑いながら、ぼくの耳元に囁いた。
「もしも女子小学生じゃないってばれたら、恥ずかしいのはお前なんだから。もしも知り合いに、瀬川君がこんな格好をしてるなんて知られたら、ご近所じゅうの話題だな」
「うっ、く……」
「ほら、あっちの小学生が、俺たちのこと、変な目で見てるぜ」
 促されるままに横目で見ると、小学生くらいと思われる少女たちが、じっとぼくらを見つめている。もちろん彼女たちは、ぼくみたいな制服は着ていない。ずっと大人びたファッションで、いろいろな意味で恥ずかしかった。

  (続く)
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コメント

いいですね~

女装で外出するだけでもかなりのものなのに、小学生の格好って・・・背徳感と羞恥心がすごすぎます。
私ならへたり込んで歩けないな~
この後の展開も楽しみにしていまーす。

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