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十月兔

強制女装を中心とした小説・イラストのブログです。

2017-08

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体験入学 第四章 Part.6

 室内はほぼ真っ暗だった。廊下から差し込む光のほか、室内を照らす灯りは、蝋燭に灯されたほのかな光が一つだけ。どうやら、大広間だというのに分厚いカーテンを閉め切って、一切の光を遮断しているらしい。
 その蝋燭の薄明に浮かび上がるようにして、ひとりの少女が座っていた。
 椅子に座っているため、目の前の少女の身長は、はっきりとは把握できない。それでも一見すると、小学校高学年くらいに見える。しかしそんな彼女が身につけているのは、武生と全く同じ――深山小学校附属幼稚園の、女児制服だった。
「はじめまして、武生お兄ちゃん」
 揺らめく炎の灯りのなか、彼女は口を開いた。その声はまだあどけない、七、八歳の女の子のもの。声だけなら、幼稚園児でも違和感はない。
「き、君は……」
 武生の声がかすれる。彼女は、まさか。
「あたしは瑠璃(るり)よ。酒匂瑠璃。茜お姉ちゃんと、翠お姉ちゃんの、妹」
 あどけない声で話す、少女。
 武生はやはりと言う思いとともに、彼女を見つめた。どことなく、目元が翠たち姉妹に似ているのだ。勝ち気で強い意思を湛えた、大きな目が。
「……俺は柚川武生。君のお姉さん……翠さんの同級生だ」
 武生は名乗った。いまこうして幼稚園の女児制服を着ている以上「竹尾ゆずか」として名乗るべきかとも思ったが、相手は自分を「武生お兄ちゃん」と呼びかけた。なら、そちらに合わせたほうが良いだろう。
 彼の内心の葛藤を知ってか知らでか、瑠璃はくすくすと笑った。
「自己紹介ありがとう、お兄ちゃん。ねぇ、これからあたしたち、一緒の小学校にはいるのね。なら、瑠璃のお友達になってくれるかしら?」
「……答える前に、いくつか確認と……疑問に答えて欲しい」
 武生の言葉に、笑って肯く瑠璃。幼稚園児には難しい言葉かも知れないと思ったが、瑠璃は難なくついてくる。日本語も、中学生並みにはできるようだった。
「いいわよ。瑠璃に答えられることなら、何でも訊いて?」
「まずは……君が、俺を小学校に入学させようとした、その首謀者で、間違いないんだね?」
「そうよ。ぜぇんぶ、瑠璃がお姉ちゃんたちに頼んでやったこと」
 悪びれもせずに答える少女。しかしかえって、遠慮なく疑問をぶつけることができた。
「何故? どうして俺を、小学校に……それも女の子として、入学させようと思ったんだ?」
「お友達が欲しかったの。瑠璃と仲良くしてくれるお友達」
 いかにも子供らしい、安直で身勝手な理由。しかし武生は、その彼女のあまりにも寂しげで、儚げな顔を見て――怒るに、怒れなかった。
「瑠璃と仲良くしてくれるお友達。そして……瑠璃よりも、背の高いお友達」
 蝋燭の光に浮かぶ瑠璃の姿が、ふと消えた。彼女が椅子から立ち上がったのだと気付くまでに、しばらくかかった。
 ことことと、足音が響く。それがだんだんに近づき、武生の開けた扉から差し込む光に、次第に浮かび上がってゆく。まず足が、膝が、スカートが、両手が、胸が、そしてその顔が浮かび上がったとき――その顔の高さは、武生のそれよりほんの低いだけの、幼稚園児としては高すぎる位置にあった。
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