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十月兔

強制女装を中心とした小説・イラストのブログです。

2017-10

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『女児転生』 第二章(17)


  (17)

 駅員室に連れて行かれると、三人が待ちかまえていた。俺を見た瞬間、秋穂ちゃんが「あっ、お兄ちゃん!!」と叫び、それを聞いた駅員数名がぎょっと目を向いた顔は忘れられない。それはそうだろう、小学校高学年くらいの子が幼稚園風の女児服の服を着て、しかも高校生の男子だというのだから。
 駅員からいろいろと話を聞かれ、住所や氏名などを確認された後、ようやく俺は解放された。恐らくこの駅の伝説として、数十年間は語り継がれることだろう。
「まったく、お兄ちゃんのせいで大恥かいちゃったわ」
 ふざけるな。恥をかかされたのはこっちだ。
「本当ね。せっかく喜んでくれそうな物を買ってきてあげたのに」
 ずい、と目の前に突き出される紙袋。明らかに子供服ブランドのものと判るその紙袋に嫌な予感を覚えるが、受け取らなかったら何をされるか判らない。重さからするとやっぱり服だろう。紙袋の重みが、別の意味で腕に重い。
 それでもありがたかったのは、冬花ちゃんと有里奈ちゃんが俺たちの家とは別方向だったこと。彼女たちとは駅前で別れ、俺は秋穂ちゃんと家路を辿った。秋穂ちゃんは無邪気に話しかけてきたけれど、俺は生返事ばかりしていたように思う。
「それじゃお兄ちゃん、さようならー」
「う、うん、さようなら……」
 隣に住む秋穂ちゃんとも別れた俺は、重い足取りで自宅に向かった。ほんの20メートルほどの距離が、果てしなく憂鬱だった。
 家に帰ったら、まず何としても誤解を解かないと。こんな幼稚園の制服姿では説得力がないかも知れないけれど、このままではとんでもないことになる──そんな悪い予感があった。
「ただいま……」
「おかえり。鍵はあいてるから、入っていらっしゃい」
 インターフォンごしに言われたとおりに、家にはいる。

 ああ、やっと帰ってきた!!

 今日一日、あまりにも色々なことがあったけれど、ようやく帰って来れたんだ。思わず深い溜息が出た。靴を脱いで玄関に上がり、とにかく一刻も早く着替えよう。自室のある二階へ続く階段を上り、自分の部屋へ──

 開かない。

「え……?」
 びっくりしてドアを何度も引くが、鍵がかかっているのかガチャガチャと音がなるばかりで一向に開かない。
 なんだ一体? パニックに陥りかけたとき、
「そっちの部屋は開かないわよ。こっちにいらっしゃい」
 隣の部屋から、母さんの声が聞こえてきた。
 嫌な予感は高まるばかりだった。なぜってその部屋は、俺がむかし使っていた子供部屋だったから。
 それでも声のした部屋──「TAKESHI」のプレートがかかった部屋の前まで来る。
 ちょっと待て。このプレートはなんだ。少なくとも今朝家を出るときには、こんなプレートはかかっていなかったはずだ。しかもそれは、水色の雲形プレートの周りにホイップクリームのような枠がつき、その縁にたくさんのフリルがついているもの。文字だって、ポップ調の可愛らしい字体。

 明らかに、小さな女の子の子供部屋にかかっているようなプレートだ。

 悪い予感に弾かれるように、俺はドアを開いた。開いた途端、のれんのようなカーテンに視線を覆われる。こちらもピンクの水玉模様で、フリルがついた可愛いものだった。それをはねのけ、室内に踏み入る。
「おかえり、武志。今、お部屋の用意をしてあげてるわ」
 パステル調クローゼットの前にいる母さんが、服をハンガーに掛けながら声をかけてきた。服──サンドレスやジャンパースカートのような女児服を。
「な、なにしてるんだよ母さん!! なんで俺の部屋に鍵を掛けてるんだよ!!」
「言ったじゃない、部屋の用意をしてあげてるって」
 母さんは平然と笑って、
「女の子の服を着ていたいんでしょ? だったらお部屋も、可愛い女の子らしいもののほうがいいんじゃないかしらと思ってね」
「違うって言ってるだろ!! いいから早く、部屋の鍵をあけて着替えさせてくれよ!!」
「恥ずかしがらなくてもいいわよ。着替えならそこにあるから、好きなのに着替えなさい。それとも、やっぱり幼稚園生でいたいかしら?」
「っ……!!」
 指さす先にあったのは、やはりピンクや水色の女児服ばかり。こんなものに着替えられるか──とは思ったけれど、幼稚園女児の服のままでいたいわけではない。
 押し黙った俺に向かって、
「そうそう、さっき学校から連絡があって──酒匂先生、って言ったかしら。鞄だの着替えだのを引き取りに来て欲しいって。そのままの格好でも、着替えてでもいいから、とにかく取りに行きなさい」
 母さんはとどめを刺すように、そう宣告した。

          『女児転生』第二章 小学生(了)
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