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十月兔

強制女装を中心とした小説・イラストのブログです。

2017-09

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『月夜哉』 第一章(3)


 (3)

 目を開けるより先に、鼻をつくアルコールの匂いがした。
 はっとして目を開け、首を起こす。そこは、薄暗い部屋だった。まるで病院の一室のような、窓のない狭い部屋にベッドだけが置かれている部屋。ここはどこだろう。
 ベッドに肘と手のひらをついて、身体を起こそうとする。しかし、腕や身体に力が入らず、起きあがるのを断念した。何だろう、全身の力がごっそり抜け落ちている感じだ。この感覚はどこかで覚えがある。そうだ、三年くらい前に交通事故に遭い、五日間くらいベッドから起きあがることもできなかったときのような……!
 ぼくは天井を見上げながら、記憶を探り、何があったのか思い出そうとする。そうだ。飲み会の後、新宿二丁目を通ろうとしたら、蛇のような男に声をかけられて、そして……。
「あら、目が覚めたみたいね」
 不意にやわらかな女性の声がして、ぼくは首を上げて足元を見る。部屋のドアを開けて、ひとりの女性が入ってくるところだった。
 シルクサテンのシャツブラウスに、ぞろりとしたロングスカート。そして胸まで届く、豊かに波打つ黒髪。スタイルを強調するような服でもないのに、その女性が豊満な肉体を持つ女性であることがすぐに判った。ルノワールではなくアングルが好んで描くような、適度にふくよかな体つき。
「ふふ、お目覚めもちょうどいい頃合いね。流石はガドウ、というところかしら。とりあえず、初めまして、坊や」
 彼女はぼくを見て、唇をつり上げてそう言った。彼女が誰なのかは判らないが、少なくともこの部屋にぼくを閉じこめた人間のひとりであることには、違いなかった。ぼくは彼女を睨み付け、
「何なんだ、これは? あんたは誰だ? 何で俺を、ここに連れ込んだ? 一体何をする気だ?」
「威勢のいい坊やね。まぁ、その方がわたくしも楽しいのだけれど」
 婉然たる微笑。ぼくは思わず声を荒げ、
「答えろ! 何で俺を、ここに連れ込んだんだ!?」
「本当に、元気がいいな。見込み通りだ」
 女性の背後から、不意に別の声がした。その声には聞き覚えがあった。あの男だ。ぼくが気を失う直前に見た、蛇のような男。
 待つほどのこともなく、女性の蔭から男が現れた。蛇のような目つきをした、スリー・ピースの男性。
「あんたは……」
「やはり覚えていたか。しかも、向こう気の強さはなかなかだな。……気に入ったよ」
 男は口の両端をつり上げて笑った。まるで、本当に蛇だ。いまにも半開きになった口から、先の割れた舌がちろちろとのぞいて動きそうな気がする。
「やっぱり、あんただったんだな。俺をここに連れてきたのは」
「そう言うことだ。……ジョウガ、私はすこし、こいつを飼いならす。見たいなら見てても良いが、あまり見よい状態じゃなくなると思うから、出て行った方が良いぞ」
「そうね。じゃ、頑張って頂戴」
 女性はそう言うと、ぼくの視界から姿を消した。かわりに、蛇のような男がじわじわと、ぼくの方に近づいてくる。まるでゆっくり近づくことで、ぼくの怯える顔を楽しもうとしているかのように。
 そうして蛇は、牙を剥いた。
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