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十月兔

強制女装を中心とした小説・イラストのブログです。

2017-11

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乙女座の園 第8エリア(2)


 (2)

「なんかさ、女性が男物を着るのは普通だけど、男がスカートを穿くのは恥ずかしい、みっともないなんて、すっごく男尊女卑的だと思うんだよね。その根底にはさ、男の方が女よりも格上で、だから男が女の服を着るなんて恥ずべき行為なんだ、ってのがあるんじゃない?」
 絶句する良介を置き去りに、円香の言葉は続く。
「女性は男性の下に属しているから、男性は女性的だ、って言われるのをすごく嫌がるようにさえ思える。もちろん女性だって、男と間違われたり、女性に見えないって言われたら傷つくよ? でもね、それはどちらかというと、自分の女性らしさを否定されたからで、別に男を劣位に置いてるから、男と一緒にされるのが嫌だ、ってわけではないんだよ」
「…………」
「もちろん、これはあたしの一方的な解釈で、本当はもっと違うのかも知れないけれど──でも一つ、思うことはある」
 円香は迷うように一拍おいた。しかしすぐに、やや頬を赤らめながらも話を続ける。
「あのね、女装者って、いるじゃない。男性の中でも女性の服を着るのが好きだったり、女性用下着を身につけるのが好きだったりする人。もちろん一部には性同一性障害の人もいて、本心から、自分は女性になりたい、社会的・性的関係においても女性として扱われたいって思う人もいる。
 そういう人じゃなくて、いわゆる『女装者』、女装して性的興奮を得る──ええいもういっちゃえばオナニーするような人って、いるよね?」
 いるわよね、と訊かれても答えようがない。円香のあまりにも露骨な言動に、良介は思わず赤くなって、言葉に詰まる。円香も少し赤い顔で、
「いるのよ、そういう人が。で、そういう人って結構、マゾヒストが多いのよ。女装マゾとか、女装奴隷とか、そんな言葉もあるみたいだし。マゾヒストって要するに、他の人からバカにされたり、辱められたりすることに興奮を見出す人だよね。なんで、女装がマゾヒズムと結びつくのさ?」
「そ、それは……」
「女装ってのが、恥ずべきこと、他人から馬鹿にされること、自分の品位を貶めることだと考えているからこそ、そこにマゾヒズムが存在し得るんじゃないの、って思うわけよ。だとしたらそれって、女性を馬鹿にしていることにならない?
 マゾヒストの人は、例えば犬とか豚とかに自分をなぞらえることが多いけれど、女装ってのもそれに準じるかたちなんじゃないかな。異性装を恥ずかしいと考えるのなら、例えば女性の間で男装マゾなんてのが生まれても、おかしくないのにね」
 立て板に水と話す円香。しかし良介は別にSMの世界には詳しくないし、円香の話はちんぷんかんぷんだった。
 それでも、彼女の言いたいことは大体判る。先日の黒谷社長の話からの連想もあり、話の大筋は掴んでいた。
「ええと、要するに、女装に対して男性が軽蔑、忌避の感情を持つことの底流には、女性蔑視の観念が存在する、ってこと?」
「うん、だいたいそうね」
 円香は肯いてから、こう結論づけた。
「つまりあたしとしては、男性が女装を恥ずかしい、嫌だって思うのは、男尊女卑的思想の現れなんじゃないの、と思うわけなのです。Can you understand?」
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