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十月兔

強制女装を中心とした小説・イラストのブログです。

2017-09

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乙女座の園 間章8

   間章8 食事処《Hime-Goten》

 《乙女座の園》には、他の建物とは一線を画するデザインの建物が、2つある。1つは第7エリアにあるゴシックハウス《Phantasmagorie》。ノイシュバンシュタイン城をモデルとした某テーマパークのお城のような、麗しい城ではない。フランケンシュタイン城のように半ば廃墟と化した、おどろおどろしい建物である。メルヘンな印象の他の建物からは、完全に浮いている。
 そしてもう1つが、食事処《Hime-Goten》である。外装は白鷺城の天守をベースにしたデザインだが、内装は完全に江戸時代の大奥風だ。こちらは「和」をコンセプトにしているので、やはり洋風建築の立ち並ぶ他のエリアとは完全に隔絶しており、これら二つの建物は、わざと他の建物から切り離して作られている。
 閑話休題──。
 《Hime-Goten》は和風レストランである。こういうテーマパークのつねでは、食事には大して期待出来ないことが多いのだが、この店は違った。割烹やら料亭やらといった専門店で修行を積んだ料理人が合計4人、さらに厨房の手伝いをする調理師が3人、合計7人がかりで料理を作っているのである。厨房の様子は、店内や外から見ることは出来ないが、それでも板前たちには店内で働く女給(ウエイトレス)と同じ制服が定められている。
 色とりどりの袴に、ひだのついた前掛け。大正浪漫漂う衣装が、この《Hime-Goten》の制服だ。戦国時代、江戸時代の女料理人なら和服にたすき掛けだろうとか、野暮なことを言ってはいけない。江戸初期を舞台にした時代劇のはずなのに、なぜか寿司も鰻も出回っていて華やかな衣装のお姉さんがいるのと同じだ。要は、エンターテインメントである。お客を喜ばせることが、何より重視されているのだ。
 そして喜んでいるのは、お客ばかりではない。女給や板前たちにも、多少動きにくいことをのぞけば、この衣装は「可愛い」と好評だった。

 ただ1人の例外を除いて。

(……、まったく、お屋敷の専属料理人で、小さな女の子にせがまれて子供向け料理番組のヒロイン風の衣装を着せられたと思ったら、今度は袴にエプロンかよ。……まぁ、前の服装に比べればマシだけどさ)
 内心呟きながらもまめまめしく働いているのは、この《Hime-Goten》の板長だった。
 彼はさるお屋敷をクビになったばかりの調理師だった。職にあぶれてどうしようかと悩んでいたところを、「アトラクティス」に拾われた。料理人として腕が立ち、なおかつ女顔なので女性たちの間に紛れられる……そんな理由からだった。
 はじめこそ、詳細を知らされなかったため素直に喜んでいた彼だったが、こうして女装して働くのは、ずいぶん気疲れする。そして何より、
(なんで俺……毎回こんな感じなんだろ)
 そう呟き、がっくりと肩を落とすのだった。
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