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十月兔

強制女装を中心とした小説・イラストのブログです。

2017-09

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乙女座の園 第7エリア(5)


 (5)

「あたしが高校のころ、同級生にすごく綺麗な子がいたんだ。あの頃あたしはまだ全然おしゃれじゃなかったから、その女の子が学年で一番綺麗だった」
 当然、言い寄る男子は数多おり、1つ上の先輩と交際していた。美男美女のカップルと、周囲から羨望を集めていたという。
「でも、高校2年の秋。文化祭の準備をしていたとき、事故があったの。だし物の喫茶店で料理の手伝いをしていたときに、なぜかいきなり高温の油がばぁっと跳ねて──正面にいた彼女は、顔中にそれを浴びて大火傷を負った」
「……!」
「命には別状はなかったけれど、顔は火傷のあとで真っ赤。退院したあと、いままでちやほやしていた男どもは見向きもしなくなって──カレシも、さすがにすぐに振るような露骨な真似はしなかったけれど、会う回数が減っていって自然消滅。結局、彼女は学校にも来なくなっちゃった」
「…………」
「学校に来なくなってすぐ、あたしは彼女に会いに行ったんだ。学校に戻ってきて、っていうためにね。でも……」
 彼女に会いに行った円香は、美人で知られた彼女の変貌ぶりに、まず驚いた。顔中に赤いまだら模様が浮かび、頬がげっそりとこけて、暗闇の中で爛々と目ばかり光らせている姿に。
 それ以上に驚いたのが、その同級生から聞いた話だ。なんとその揚げ油に水を入れ、大量に跳ね散らして彼女に火傷を負わせたのは、他ならぬ彼女自身だった、というのだ。
「確かに、あの事故そのものの原因がまったく判ってなかったんだけど、彼女自身がやったとなれば合点はいく。でも、なんで? あたしがそう訊いたら、彼女、こう言ってた。『綺麗でいるのに疲れた』って」
 美人で、受け答えが良くて、可愛くて、聞き上手で。いつの間にか貼られたレッテルが、いつしか彼女を縛り付け、それが彼女の心を壊した。
「もちろんその時のあたしには、彼女の気持ちはまったく判らなかった。そりゃああたしだってそこそこ綺麗だったし、そのために多少の努力はしていたけれど、彼女ほどじゃなかったからね。彼女は毎日、丁寧にメイクをして、髪型だってヘアサロンに行ったばかりみたく綺麗にセットして、言葉づかいにも、食事にも、運動にも気を使ってた。なんで彼女がそこまでするのか、私にはとうとう判らなかったけど──でも彼女が、『綺麗でいるのに疲れた』って言ったのが、私には印象的だった。他にも色々聞いたよ。顔に火傷を負ったとたん、他の人からどんな言葉を浴びせられたか、とかさ」
 それから円香は、ある強迫観念に取りつかれた。「綺麗でなくなったら、周りから冷たくされるかも知れない」という。
 もちろん理性では、今のままでも十分なことは判っているし、綺麗でないからと言って虐められることなどないことも、判っている。しかし円香にとって、それは理屈ではなかった。おそらくは、かつてクラスいちの美人で知られた友人の、顔中を火傷のあとで真っ赤にふくれあがらせ、暗い目をしている姿が、円香の心に恐怖を植え付けたのだろう。
「だからね。大学時代にあたしが綺麗にしてたのって、要するにその強迫観念の延長なんだ。いまではだいぶ落ち着いたけどね。だからもうこれから先、あたしが着飾ることはないよ。もう2度と、着飾りたくはない。でも、良介は……」
 円香はゆっくりと微笑み、良介を見た。
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