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十月兔

強制女装を中心とした小説・イラストのブログです。

2017-07

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乙女座の園 第7エリア(3)


 (3)

 最初こそ円香の豹変ぶりに驚いた良介だったが、見慣れてくるにつれ、むしろ今の彼女の方がよほど気楽なことに気付いてきた。
 いままでは「大学屈指の美人」と「2人きりで遊びに行く」ことへの緊張があったのが、ラフな服装と下世話な表情の円香と話すにつれ、だんだんに無くなってきたのだ。半ば気後れしていた良介にとっては、本当に有り難かった。
 しかし。
 円香が彼を連れて向かった先に、良介はちょっと不安になった。あろうことか駅ビルの3階、レディスファッションのフロアだったのである。
「良介ー、これなんてどう?」
「こっちの服には、やっぱこのスカートかなぁ。こっちだと、ちょっとミスマッチだし」
「うーん、おとなしめにハーフパンツにしておくか。とすると上は……」
 円香は早くも、良介のことを名前で呼び捨てることにしたらしい。まぁ、男同士だとずっと「良介」と呼ばれていたから、男前な口調でしゃべる円香からそう呼ばれていても、違和感はないのだけれど。
 むしろ良介が気にしているのは、彼女が今選んでいるこの服が、果たして誰のものかという一点だ。もちろん、普通に考えれば円香自身のものでしかありえない。しかし、だからこそ正面切って質問するわけにも行かず、良介は戸惑いながらも相槌を打ち、迂遠に確認しようとしたり、あるいはなるべくフェミニンでない方に誘導したりする。
「お、いいじゃない」
「こっちのブラウスよりも、こっちのシャツの方が良いんじゃない? すっきりしてるし」
「円香のスタイルだと、スカートにするならマーメイドタイプの方が似合うと思うな」
 などと言いながら、服を選んでいく。良介も、円香に合わせて彼女を呼び捨てていた。相手が打ち解けて呼び捨てにしているのに、こっちがいつまでも「月織さん」では、逆に嫌な顔をされるだろう。それに良介も、円香のことを異性として意識しなくなっていた。
 そんなこんなで服選びをするうち、水色ストライプの七分丈シャツに、白のノーマルスカート、天然色の編み上げジュートウェッジサンダルを購入することに決まった。
 2人はそのまま、駅ビル最上階の喫茶室に入った。明色の照明の中、ライトミュージックが流れている。窓際の奥まったスペース、4人掛けテーブルに向かい合うようにして座り、良介はそれとなく、円香はいま何をしているのかと尋ねてみた。
 良介と円香はさる文系私大の法学部出身で、良介は勉強熱心ではなかったが、円香は院を目指していたほど、勉強熱心だったはずだ。院を諦めたのには、何か理由があるのだろうか。そう思って訊いてみると、彼女は歯切れ良く答えた。
「うん、実はね……」
 話によれば、彼女は今、雇用問題を中心とする社会派のルポライターをしているらしい。本当なら、大学の教授に付いて法学の研究に専念したかったようなのだが、不況のあおりで父親が職を失い、彼女も働かざるをえない状態になったのだとか。しかしその割に、彼女の表情に暗さはなかった。
「いったん研究室からは離れたけど、今でも『ジュリスト』は読んでるし、やりがいがあって面白いよ。こう、今までは文章の上でしかなかった裁判の案件を、肌身で感じられて。また研究に戻るときも、この経験は役立つと思うんだ」
 彼女がそう締めくくったところで、二人の注文した飲み物がやってきた。良介はアイス・ティー。円香はウィンナコーヒー。
 ごゆっくりどうぞ、というウェイトレスの声で、しばし二人の会話が途切れた。良介が、あらためてむかしの思い出話でも振ろうかと思った時。
 円香が奇妙に響く声で、こう言った。

「で──良介は、『Beauty and Brilliancy Factory』にいるんだよね? あの、《乙女座の園》を企画した」
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