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十月兔

強制女装を中心とした小説・イラストのブログです。

2017-11

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乙女座の園 第6エリア(5)


 (5)

「わっ!」
 携帯の電子音で、軽快なポップのメロディが流れた。着メロだ。
 びっくりした良介は、寝惚け眼でのろのろとソファから立ち上がり、テーブルの上に置いてある携帯を手に取った。そこに表示された名前は、
「月織円香」
 前回電話があったときに登録した名前だった。その名前を見てからやっと彼は、そう言えば今週末彼女と会う約束をしたんだっけ、と思いだした。「アリスのお茶会」に引きずり出されたり、《アトラクティス》本社に呼び出されたりと色々あったせいで、いまのいままで忘れていたのだ。予定を入れなかったのは幸いだった。
 何となくばつが悪いまま、良介は電話に出た。
「もしもし」
「あ、もしもし。有沢君よね?」
 円香の声は、相変わらずハリがある。明日の約束を楽しみにしているように、聞こえないこともない。良介の胸は高鳴った。
「うん」
「いま大丈夫? 話せる? ……かしら?」
「いや、今日電話するって話だったから、月織さんが電話してくるのを待ってたところだよ」
 良介は今の今まで忘れていたことなどおくびにも出さず、そう言った。そうとも知らず、円香の声はいっそう弾んだようだった。
「あ、嬉しいこと言ってくれるなぁ。でも、直前まで行き先については黙ってたの、迷惑だったかな?」
「そんなこと無いって。おかげで今日まで楽しみに出来たしね」
「そう言ってもらえると嬉しいわ。……って、あ! 確認し忘れていたけど、有沢君、まだ関東圏内にいるわよね?」
 今さらそんなことを聞いてくるなんて、月織さんもけっこう迂闊だ。良介は苦笑した。
「うん。一応世田谷区内だよ」
「よかった。ここまで予定合わせといて、もしも鳥取とか青森あたりに住んでいるとか言われたら、計画が水の泡だものね。じゃあ、その場所なんだけど……」
 彼女は待ち合わせの場所に、ある駅を指定した。それを聞いた瞬間、
「ええっ!」
 良介は思わず叫び声を上げた。
 指定されたその駅は、あろう事か……新宿から電車で一本、《乙女座の園》の目の前にある駅だったのだ。
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