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十月兔

強制女装を中心とした小説・イラストのブログです。

2017-11

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乙女座の園 第4エリア(5)


 (5)

 撮影は終了。
 部長の話はなかなか考えさせられるものがあったが、そうは言っても良介は、女装趣味があるわけではない。いくら似合っているから、おかしくないから、可愛いからと言われても、ならいいか、と割り切れるものではないのだ。単純に、女装そのものが恥ずかしいのだ。
 撮影終了後も、良介は撮影で使った子供服を脱ぐことは許されず、総務でのデスクワークに戻った。案の定、黒谷晴香社長は大喜びで、
「あら、りさちゃん。ずいぶん可愛い服着てるじゃない。全然違和感ないわね」
「そうですねー」
 備品調達のチェックをしながら、古本留美も口を挟む。
 先ほどの宣伝部長とのやりとりを考えれば、単に褒められているだけなのかも知れないが、恥ずかしいことは変わりない。良介はむすっとした。
 だからこそ、晴香が次に言った言葉は、良介にとってはあまりにも意想外だった。
「そうそう。有沢君。突然だけど、あなたの《乙女座の園》でのアルバイトは打ち切りになったわ」
「え」
 とっさに何を言われたのか判らず、良介は耳を疑う。晴香はちょっと悔しそうに、
「ゴールデンウィークからこっち、《乙女座の園》は大繁盛だったでしょ? でもそのせいで、同業社から結構マークされているのよ。いうなればあら探しね。ちょっとでも油断するとたちまち足元を掬われかねないの。だから……万一、女性限定を売りにしていた《乙女座の園》で、男性が女装してウェイトレスをやっていましたなんてばれようものなら、たちまち評判が堕ちることは間違いないわ」
 ああ、とすると結構危ない橋を渡っていたわけだ。良介は今さらながら実感する。
 また、晴香の話によると、女性に紛れて侵入してきた男までいたそうだ。幸いさやかがすぐに発見し、その後、案内スタッフの一員として働かされたとか。この辺りのことも、ライバル企業にとっては《乙女座の園》を潰すための好餌となるだろう。あるいはもっと直截に、他の企業やマスコミからのスパイが入り込んでくるかも知れない。
「と、言うわけで……もう、あなたが《乙女座の園》に派遣されることはないわ」
 溜息をつく黒谷社長。良介は彼女に、率直な感想を述べた。
「とても嬉しいです」
「あなたそれでもうちの社員?」
 黒谷社長は良介を睨むが、良介としては嬉しいことこの上ない。しかし、喜んだのもつかの間。黒谷社長はさらに、とんでもないことを言いだしたのだった。
「まぁいいわ。そんなわけで有沢君には明日から、ごくごく普通のデスクワークに復帰してもらうことになる。でも当面、今まで通りに女性用の事務服を着ていなさい」
「嫌ですよ。僕は女装趣味なんてありませんし、第一、もう、必要ないでしょう」
 良介は即答した。黒谷社長は、おもちゃをとられた子供のような表情で眉根を寄せた。
「あるのよ。色々とね」
 結局この日、良介は撮影に使われた子供服のセットを来たまま、デスクワークに従事させられたのはもちろん、外での食事に連れ回されて恥ずかしい目にあった。お昼を食べに行った喫茶店では、小さな女の子から、指さして洋服を羨ましがられる始末だったのだ。
 しかしこれは、ほんのはじまりに過ぎなかった。翌日彼を待ち受けていたのは、黒谷社長による、さらに理不尽な命令だったのである。
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