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十月兔

強制女装を中心とした小説・イラストのブログです。

2017-09

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乙女座の園 第3エリア(3)

 今日はちょっと長めです。。。

 * * *

(3)

 翌日。
 そのパンツスタイルで出勤したところで、良介はさやかに遭遇した。
「あれ? りさちゃん」
「あ……滝さん」
 二人がいる場所は《乙女座の園》の従業員用通用口を抜けた更衣室。廊下の両脇にずらりと個室を並べた、殺風景な場所だ。その通路で、良介はさやかに見つかってしまった。
「ふぅん、可愛いじゃない。すっかり女性ね」
「違いますから」
 反論するが、彼の格好を考えれば説得力はない。パンツスタイルといっても女性用の美脚ラインで、ブラウスの襟元には小さなフリルが付いている。
 そんな彼をにやにやと笑いながら、さやかは彼の腕をとった。そのまま、彼の更衣室とは別の部屋に引きずっていく。
「あたし、部署替えされたのよ。本当ならウェイトレス長として働き続けたかったんだけど、上の人が、あなたの能力を見込んでどうしてもって」
「それはおめでとう。……で、代わりに俺にウェイトレスをやれとでも言うつもり?」
「そんなこと言わないわよ。いいから来て」
 連れ込まれたのはさやかの更衣室。広さ一畳ほどでロッカーと小さな机があるだけの、こちらも殺風景な個室だ。彼女はそのロッカーから、ブルーのワンピースを取り出した。
「見て。これよ。明日から始まる新イベント。その名も、《Alice in Waterland》の衣装よ」
 《Alice in Waterland》。「水の国のアリス」とでも訳そうか。アリスの冒険を、海の底にある世界に移してリメイクした短編ミュージカルだ。来場者はちょっとしたホールに入り、そこで大がかりな舞台装置を相手にはね回るアリスの姿を見て楽しむ。
 アリス役は若い女の子でなければ務まらない上に、演技力と舞台度胸も要求される。そのため、今回雇ったアルバイトの中から見所のありそうな人を抜擢して、役につけることとなっていたはずだ。その点、さやかならぴったりだろう。良介が大いに納得したとき、
「じゃありさちゃん、ちょっと着てみなさい」

 遊覧船《Lakeside Swan》は、18時で終わりを告げる。理由は2点。乗り物の性質として、歩き疲れた来園者が入口まで戻るためのものではないことと、暗くなると、アヒルや白鳥の雛たちが見えにくくなるからだ。
 そんなわけで18時のラストクルーズを終えた良介は、朝にさやかが指定した場所に向かった。
 来るように指定された場所は、《Fairy Nest》と呼ばれる装飾用の建造物。一見飾りに見えるが、実は更衣室としても使用されているパステルカラーの小屋だ。
(いや、今からシフト入ってるし無理だって!)
 あの時、手を振って拒絶する良介の返事を見越していたように、さやかは平然と答えた。
(そう。なら、そっちが終わったら第3エリアの《Fairy Nest》に来なさい。確か18時には終わるわよね?)
 それでも嫌だとは言えない。ウェイトレス時代に、さやかの命令に従うようすり込まれてしまったからだ。だからこうして、
「有沢くんなら、名前もぴったりだもの。似合ってるわよ」
 と言われても、逆らうことはできないのだった。良介はワンピースを着たまま、軽く唇を噛んだ。
 ブルーを基調にした、丸襟のワンピース。そのデザインはジョン・テニエル描く『不思議の国のアリス』のアリスが着ている服をオリジナルに、さらに可愛い装飾を加えたものだ。丸襟にはブルーのラインとレースがあしらわれ、襟元には大きなリボンを結ぶ。ワンピースの前にはくるみボタンがつけられていて、その両脇にはタックが入っている。裾にもタックを入れたスカートは、下にパニエをしこんでいるので、大きく広がって、優美なラインを演出している。
 足は水色の平べったい革靴に、足首で綺麗に折ったソックス。頭にはおおきなリボンのカチューシャ。どこまでも女の子らしさを演出する、可愛いセットだ。
 小さい女の子なら喜ぶかも知れないが、20過ぎの男性が着るにはいささかきついデザイン。それでもさやかは、アリス風ワンピースを着た良介を愉しげに眺め、こう言った。
「やっぱり似合うわね。うん。これなら安心して任せられるわ」
「……ま、任せるって何を?」
 怯えた顔で、良介は尋ねる。ただ単に、自分にアリスの格好をさせて楽しんでいるだけではないのか。そんな彼に、さやかはむしろ不思議そうな顔を向けた。
「りさちゃん……ひょっとして、このあと何があるか知らないの?」
「え……」
 良介は戸惑いながら、必死で思い出そうとする。次の瞬間、
「あ! 《アリスのお茶会》!」
 《Alice in Waterland》開演前日に当たる本日、宣伝をかねたトークショー《アリスのお茶会》が開かれる。場所は《Sweet Spirits》で、ちょうど19時からスタート。原宿のロリィタファッションショップから二人のゲストを招き、大勢のギャラリーの前でお茶会としゃれ込むのだ。
 出演者は本来ならば、当然、明日以降アリス役をやるさやかである。しかし当のさやかは良介を見たまま、彼の服を脱がせようとも、自分が予備の服を着ようともしない。
「滝さん、あと30分しかありませんよ! 早く着替えてください!」
「何言ってるの。りさちゃんが出るのよ。あ、もうすぐ打ち合わせだから、早めに控え室に行かないとね。もうゲストのかたはいらっしゃってるはずだし」
「やだ、待ってくださいよ! 何で私が……」
「さっそく女の子モードスタンバイ。問題ないわね、行きましょ」
 こうしていつものパターンで、良介はまた1つ、男性としての自意識を削り落とす場に連行されていく。
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